蛍光顕微鏡の設置・使い方
1. ご用意頂くもの
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蛍光顕微鏡「Lumascope」本体
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パソコン(付属しません。下記推奨スペックのものをご用意下さい。)
OS:Windows8以上、CPU:Core i5以上(LS720にはOS 10、CPU i7以上)、容量:500GB~1TB、RAM:8GB、USB:3ポート -
ソフトウェア(こちらから無償でダウンロードできます。※モデルに合ったソフトウエアをダウンロードして下さい。)
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対物レンズ(本体には付属しません。別途ご購入下さい。)
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位相差照明(本体には付属しません。別途ご購入下さい。)
2. 設置方法
本体の蓋を外し、対物レンズのスレッドカバーを外します。


対物レンズをセットして、蓋を戻します。


付属のUSBケーブルで、本体とパソコンを接続し、ソフトウエアを立ち上げます。
位相差観察の場合は、別売りの位相差用照明を取り付けて下さい。
これで準備完了です。


LumaView(ソフトウエア)の使い方
1. ソフトウエア インストール
Windows OS8以上のPCをご用意ください。(LS720には10以上)
下記サイトから、装置モデルに合った最新ソフトウエアをインストールしてください。(※最新バージョンは下記と異なる場合があります)

注意:
インストール後、"The wrong version of Dotnet 2.0 was installed. Please try to update to SP2" のエラーが表示される場合は、下記リンクから ".NET Frame Work 3.5 SP1" をクリックし、アップデートしてください。
https://www.microsoft.com/ja-JP/download/details.aspx?id=25150
2. 初期設定
Lumaviewを開いて、メニューのConfiguration > Instrument Setupを開きます。
ご使用の機種、対物レンズ種類、Maginification、ご希望のFrame Size、保存ファイル形式などを選択してください。

3. 操作方法
蛍光調整
まずは左のアイコンから、一番上のManual Imageをクリックしてください。
レンズで焦点を調整し、Brightfield、Blue、Green、Redを個別に選択し、照明、ゲイン、露出を調整してください。

画像撮影
左のアイコンのSnap Shotで画像が撮影できます。
撮影した画像は、etaluma > Manual > Single-Channelのフォルダに保存されます。

複数画像合成
先ほどのManual Imageで合成したい画像を左のボックスで選択します。
左のアイコンのCompositeをクリックすると下記の画面がでてきます。
チェックがついているか確認し、Use Manual Settingをクリックし、最後にOKをクリックします。

画像が合成されます。

動画撮影(最大30フレーム/秒の画像データ取得)
左のアイコンのVideo Recordをクリックすると下記画面が表示されます。
保存先のフォルダを選択し、OKをクリックすると動画撮影が始まります。
終了する場合は、再度Video Recordをクリックしてください。
動画撮影は1色(明視野、位相差、蛍光1色の何れか)のみ可能です。
※最大30フレーム/秒のイメージが取得できますが、動画にするには別途加工が必要です。

タイムラプス
左のアイコンのProtocolから、タイムラプスの設定が可能です。
まずは、2ページ下の方法で各蛍光、位相差での画像調整をして下さい。
ProtocolのImageタグを開き、取得したい色をクリックしてください。
User Settingをクリックすると、先ほど調整した画像の設定が反映されます。

次にAcquisitionタグを開き、IntervalとDurationを入力します。
下記の場合は、2秒毎に10秒間タイムラプス画像を保存します。

プロトコルの設定が完了しましたら、下のSaveもしくはSave Asをクリックしてください。
その後、下記画面から、プロトコルのファイル名をつけて、OKで保存してください。

Informationタブを開き、Load Existingをクリックして、先ほど保存したプロトコルのファイルを開き、OKをクリックして下さい。
最後に、左下のRun Protocolでタイムラプスが開始されます。

以上、簡易的な使い方となります。
詳細は、ソフトの上部メニューのHelpから項目毎に確認頂けます。
使い方動画(LS460・560・620)
使い方動画(LS720/オートフォーカス・自動ステージ)
動画・タイムラプス作成
Lumascopeは画像データ取得を目的とした装置なので、動画、タイムラプスの自動作成はできませんので、お手持ちの加工ソフトを使用し、加工をお願いします。下記動画は、Microsoftのビデオエディターを使用した例となります。
メンテナンス方法
Lumascopeは、下記の定期的なWeeklyとMonthlyでのメンテナンスをお願いします。
Weeklyのメンテナンス
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顕微鏡のステージを点検し、対物レンズの周囲の穴に液体がこぼれていないことを確認します。もし、あれば、清潔な布やペーパータオルなどで、できる限りきれいに拭き取ってください。対物レンズに液体がこぼれた場合は、以下の方法でクリーニングをして下さい。
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ステージのすべての部分をきれいな布やペーパータオルで拭いて下さい。(LS720の場合は、マイクロプレートホルダとサブデッキを含みます。)
※LS720の手順:
ローワーデッキ(対物レンズの交換にも使用)を開けるためには、フロントノブを緩め、トップデッキを持ち上げます。トップデッキをほぼ最大まで上げると、後部のヒンジが引っかかり、トップデッキが上がった状態で固定されます。トップデッキを下ろすときは、トップデッキを最大まで上げてヒンジキャッチを解除します。クリーニングが完了しましたら、フロントノブを必ず締めて、自動運転が正しく機能するようにして下さい。
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対物レンズの穴に液体がこぼれた場合は、トップデッキ(ステージ上の三角のプレート)を取り外し、対物レンズの周囲をできるだけきれいに清潔な布できれいに拭き取ってください。レンズのクリーニングは、対物レンズのネジを取外し、レンズペーパーとレンズクリーニング液でクリーニングします。光学モジュールの内側のネジを点検し、必要に応じてネジ部もクリーニングして下さい。クリーニングが完了しましたら、対物レンズをLSマイクロスコープに戻して下さい。
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画像に焦点の合わない粒子やその他の形状が明らかな場合、対物レンズの下の光学モジュール内にあるダイクロイックフィルターに埃が付着している可能性があります。小型の検査用懐中電灯で横から光を当てると、埃がよく見えます。
検査用の懐中電灯は、下記サイトのようなものをご使用下さい。
https://www.amazon.com/gp/product/B001JT8MT2/
顕微鏡のダイクロイックフィルターをクリーニングするには、LS本体に付属のマイクロファイバー製クリーニング綿棒を使用して下さい(※他の種類の綿棒は使用しないでください)。綿棒をダイクロイックの下端まで挿入し、拭くときはフィルターの下から上に拭いて、ホコリが取り除かれていることを確認して下さい(下記動画参照)。必要に応じて繰り返して下さい。クリーニングが完了しましたら、対物レンズやレンズキャップをすぐに元に戻して、ダイクロイックフィルターにゴミが付着しないようにして下さい。
マイクロファイバークリーニングスワブは、下記サイトのようなものをご使用下さい。
Amazon https://www.amazon.com/gp/product/B07CKKS8JQ/
Monthlyのメンテナンス
FluoCellsのスライドを使用し、付属のスタートアップマニュアルに記載されている標準的な手順に従って、蛍光、明視野/位相コントラスト、マニュアルフォーカス、オートフォーカスを確認して下さい。
FluoCells slides は下記のThermoFisherのサイトから購入頂けます。
https://www.thermofisher.com/order/catalog/product/F36924 (Slide #1)
https://www.thermofisher.com/order/catalog/product/F14781 (Slide #2)
蛍光顕微鏡による撮影例
エレクトロポレーション(電気穿孔法):
脂質生成間葉幹細胞のための持続可能な細胞生物学保存細胞ラベリング論
Kathrin von der Haar 氏他
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/30944770
エタルーマ社のインキュベーター蛍光顕微鏡LumaScope600(40倍の対物レンズ使用)で撮影されたエレクトロポレーションをされたAD-hMSCのeGFP発現
内皮細胞はSiM Pore’s のナノ多孔性シリコン窒化物膜上で24時間以上培養されました。採取後すぐのヒトの好中球をシリコン膜の上部から灌流し、強力な化学誘引物質(fmlp)をシリコン膜の下層チャネルに加えたものです。
この位相差ビデオは、Etaluma LS560を使用し、1分間に10フレームを30分以上の間撮影したものです。二種類の色は膜の上下を示しています。
ビデオ提供:ロチェスター大学McGrath研究室 分析:DRVision Quyen Tran
コラーゲンマトリックス(3Dコラーゲン発芽アッセイ)に埋め込まれたヒトのスフェロイド黒色腫 (メラノーマ)。個々の細胞がスフェロイドから出ようとしているのが見えます。コラーゲンマトリックスへの腫瘍の浸透/運動性を測定しています。タイムラプスはインキュベーター内のLS720自動蛍光顕微鏡で撮影したものです。
提供:ドレクセル大学Ed Hartsough研究室
卵母細胞の成熟過程における殺虫剤の影響について
Xiang-Shun Cui 氏他曰く、”フィプロニルは、ブタの卵母細胞の生体内での成熟期に、アポトーシスや細胞周期の進行停止を促進します。”
https://link.springer.com/article/10.1007%2Fs10495-019-01552-w

2種類のmRNAを示す組織バイオプシー

