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小動物用テレメトリー


小動物用テレメトリーとは


小動物用テレメトリーは、小型の動物(例えばマウスやラット)に使用される無線通信技術を指します。小動物用テレメトリーは、動物の生理学的データをリアルタイムでモニタリングするために利用されます。主な用途としては、心拍数、血圧、体温、活動レベル、さらには脳波(EEG)などのデータを収集することが含まれます。


テレメトリーシステムは、小型のセンサーや送信機を動物の体内または体外に装着し、無線でデータを収集装置に送信します。これにより、動物の自由な行動を妨げずに長期間にわたるデータ収集が可能となります。これらのデータを用いて、生理学的応答を詳細に追跡し、薬剤の効果や疾患モデルの研究を行うことができます。


小動物用テレメトリーを使用する目的


小動物用テレメトリーを使用する目的は、動物の生理学的データをリアルタイムで継続的にモニタリングし、研究や実験におけるデータ収集を向上させることです。具体的な目的は以下の通りです。


  1. 薬理学研究

    • 新薬の効果や安全性を評価するため、動物モデルを使って心拍数、血圧、体温などの生理学的パラメータをモニターします。

  2. 毒性試験

    • 長期間のデータ収集を行い、薬物や化学物質の長期的な影響を評価します。

  3. 行動研究

    • 動物の自然な行動下での生理学的変化を追跡し、ストレスや行動の変化に伴う生理学的反応を調査します。

  4. 疾患モデルの研究

    • 心血管疾患、神経疾患、代謝疾患などの動物モデルを用いて、病態の進行や治療効果を詳細に観察します。

  5. 睡眠研究

    • 脳波(EEG)や筋電図(EMG)をモニタリングして、動物の睡眠パターンや睡眠障害の研究を行います。

  6. 生理学的ストレス応答の評価

    • 環境や外的要因によるストレスが生理学的にどのように反応するかを調査します。

テレメトリー技術は、動物に対して非侵襲的な方法でデータを収集できるため、動物の福祉を向上させ、より自然な状態での生理学的データを得ることが可能です。



小動物用テレメトリーを使用するメリット

小動物用テレメトリーを使用するメリットは、以下のように多岐にわたります。


1. 非侵襲的でストレスを軽減

  • 動物を繰り返し拘束したり麻酔をかける必要がないため、動物に対するストレスを最小限に抑え、より自然な生理的データを収集できます。


2. リアルタイムで継続的なデータ収集

  • 長期間にわたる連続的なデータ収集が可能であり、時間依存的な生理学的変化やイベントを詳細に追跡できます。


3. 自由な行動下でのモニタリング

  • 動物が自由に動き回る自然な環境でデータを収集できるため、拘束や特別な装置の影響を排除した、より信頼性の高いデータが得られます。


4. 複数のパラメータを同時に記録

  • 心拍数、血圧、体温、活動レベル、脳波(EEG)など、複数の生理学的パラメータを同時に記録できるため、総合的なデータ解析が可能です。


5. 動物の福祉を向上

  • 非侵襲的でストレスの少ない方法であるため、動物の福祉が向上し、倫理的な実験が可能になります。


6. データの信頼性と再現性の向上

  • 繰り返し測定を行うことで、データの一貫性や再現性が向上し、統計的な信頼性が高まります。


7. ヒトへの応用が期待できるデータの取得

  • 自然な状態での長期間データ収集により、ヒトにおける生理学的反応をより正確に模倣できるため、研究結果のヒトへの応用可能性が高まります。


これらのメリットにより、小動物用テレメトリーは、基礎研究から応用研究まで幅広い分野で貴重なツールとなっています。



小動物用テレメトリーが活用される分野

小動物用テレメトリーは、さまざまな分野で広く使用されています。主な応用分野は以下の通りです。


1. 薬理学・毒性学

  • 薬物効果の評価:新薬の心血管系や中枢神経系への影響を評価するために使用されます。

  • 毒性試験:長期的な薬物や化学物質の毒性評価において、動物の生理学的データをモニタリングします。


2. 心血管研究

  • 血圧、心拍数の測定:高血圧や不整脈などの心血管疾患モデルでの研究に使用されます。

  • 心血管反応の解析:運動、ストレス、薬物の影響などが心血管系に与える影響を研究します。


3. 神経科学

  • 脳波(EEG)モニタリング:てんかんや睡眠障害、神経変性疾患の研究に使用されます。

  • 行動神経科学:ストレス応答、学習、記憶などの行動に関連した生理学的反応を解析します。


4. 代謝研究

  • 体温、活動レベルの測定:糖尿病や肥満などの代謝疾患モデルで、エネルギー消費や代謝率の研究に利用されます。


5. 呼吸器研究

  • 呼吸数、酸素飽和度の測定:喘息や慢性閉塞性肺疾患(COPD)などの呼吸器疾患の研究において、呼吸機能をモニターします。


6. 免疫学

  • 生理学的ストレス応答:感染症や炎症性疾患モデルで、免疫応答と生理的変化の関連性を調査します。


7. 行動研究

  • 自由行動下の生理学的データ収集:動物の自然な行動を観察しながら、行動に伴う生理学的変化をモニターします。


8. 環境ストレス研究

  • 温度や酸素濃度の変化への適応:極限環境での生理学的適応を研究する際に利用されます。


これらの分野でのテレメトリーの使用により、研究者はより精密で信頼性の高いデータを得ることができ、動物モデルを用いた様々な生物学的プロセスや疾患のメカニズムを解明するのに役立っています。



小動物用テレメトリーのアプリケーション例

小動物用テレメトリーの具体的なアプリケーション例は以下の通りです。


1. 高血圧モデルの研究

  • 目的:高血圧の病態生理を理解し、新しい降圧薬の効果を評価する。

  • 方法:ラットにテレメトリー装置を埋め込み、血圧と心拍数をリアルタイムでモニタリング。薬剤投与後の血圧変化を解析。


2. てんかんモデルの研究

  • 目的:てんかん発作のメカニズムを解明し、抗てんかん薬の効果を評価する。

  • 方法:脳波(EEG)をモニタリングするためにテレメトリー装置を使用。発作誘発モデルを作成し、発作の頻度や持続時間を測定。


3. ストレス応答の研究

  • 目的:慢性的なストレスが動物の生理学的パラメータに与える影響を調査する。

  • 方法:ストレス誘発モデルを使用し、心拍数、血圧、体温をテレメトリーで測定。ストレス下での生理的変化を追跡。


4. 肥満および糖尿病モデルの研究

  • 目的:肥満や糖尿病が代謝や心血管系に与える影響を解析し、治療法を評価する。

  • 方法:肥満または糖尿病モデルのマウスにテレメトリー装置を装着し、体温、活動レベル、心拍数をモニター。食事や薬物治療の効果を評価。


5. 薬物毒性評価

  • 目的:新薬の心血管および神経系への安全性を評価する。

  • 方法:テレメトリーを使用して、動物に薬物を投与し、心拍数、血圧、EEGなどのパラメータを長期間にわたり測定し、毒性反応を評価。


6. 睡眠障害の研究

  • 目的:不眠症や他の睡眠障害のメカニズムを研究し、新しい治療法を開発する。

  • 方法:ラットの睡眠パターンをテレメトリーで記録し、睡眠時間、レム睡眠とノンレム睡眠の割合を分析。睡眠障害モデルを作成して薬剤の効果を評価。


7. 心筋梗塞モデルの研究

  • 目的:心筋梗塞の病態および治療の効果を解析する。

  • 方法:ラットに心筋梗塞を誘発し、テレメトリーを使用して心拍数、血圧、活動レベルをモニタリング。治療薬の効果を長期的に観察。


これらのアプリケーション例は、テレメトリー技術が生理学的データをリアルタイムで収集する能力を活かし、動物モデルを用いた多様な研究分野で重要な役割を果たしていることを示しています。


emka TECHNOLOGIES 小動物用テレメトリー easyTELシリーズ


マウス用テレメトリー easyTELは完全に埋め込み可能なテレメトリー・遠隔測定システムで、意識下で自由に動く体重20g以上の小型被験体から生理学データを送信します。前臨床研究で使用することを目的としたeasyTEL-Sサイズのインプラントはマウスに最適で、生体電位(ECG、EEG、EMG、EOG)*、体温、活動を継続的に記録する能力を提供します。


ラット用テレメトリー easyTEL+は完全に埋め込み可能なデジタルテレメトリー・遠隔測定システムで、意識を持って自由に動く実験動物から生理学的データを送信します。前臨床研究(主に毒性学、薬理学、安全性薬理学研究)やバイオディフェンスで使用することを目的としたeasyTEL+インプラントは、ラットのような200gを超えるげっ歯類に最適です。さまざまなモデルで、生体電位(ECG*、EEG*、EMG*、EOG*)、血圧(動脈圧および/または左心室圧)、呼吸数**、体温、加速度を連続的に記録できます。

 

オレンジサイエンスはemka TECHNOLOGIESの日本総代理店です。日本では唯一emka TECHNOLOGIES社と取引できる窓口となっております。日本国内で展開される様々な研究プロジェクトを支え、研究者の皆様がより効果的かつ効率的に研究を進められるよう、迅速で専門的なサポートを提供しています。


*心電図(ECG)、脳波(EEG)、筋電図(EMG)、眼電図(EOG)

**胸膜または血圧または横隔膜EMGに由来します。



easyTELマウス用テレメトリー

マウス用テレメトリー easyTELは完全に埋め込み可能なテレメトリー・遠隔測定システムで、意識下で自由に動く体重20g以上の小型被験体から生理学データを送信します。

 

前臨床研究で使用することを目的としたeasyTEL-Sサイズのインプラントはマウスに最適で、生体電位(ECG、EEG、EMG、EOG)*、体温、活動を継続的に記録する能力を提供します。




easyTEL+ラット用テレメトリー

ラット用テレメトリー easyTEL+は完全に埋め込み可能なデジタルテレメトリー・遠隔測定システムで、意識を持って自由に動く実験動物から生理学的データを送信します。


前臨床研究(主に毒性学、薬理学、安全性薬理学研究)やバイオディフェンスで使用することを目的としたeasyTEL+インプラントは、ラットのような200gを超えるげっ歯類に最適です。






easyTEL+ 大型動物用テレメトリー


大型動物用テレメトリー easyTEL+は完全に埋め込み可能な大型動物用デジタルテレメトリーシステムです。


意識を持って自由に動く実験動物から生理学的データを送信します。遠隔で管理・設定することができます。


前臨床研究(主に毒性学、薬理学、安全性薬理学研究)やバイオディフェンスでの使用を想定したeasyTEL+インプラントは、1kgを超える大型動物に最適です。











 




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