セルスケール社のUniVert(ユニバート)は、最大 10kN までの引張試験が可能な引張試験機です。
幅が22cm、高さが54cmと非常にコンパクトなため、試験室だけでなく、あらゆる場所で引張試験を行うことができます。
ロードセルを変えることで、0.5N~10kNまでの引張試験が可能で、ソフトウェアもモジュラーコンポーネントも簡単に使用できます。
工業用の引張試験装置は大型で試験レンジが広いですが、UniVertは生体系サンプルの試験を得意とし、精度の高い試験・解析が可能です。
引張試験機 - UniVertの特徴
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高品質で費用対効果の高い試験をコンパクトなパッケージで実施できます
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コンポーネントやロードセルの交換が簡単にでき、幅広い試験用途に対応できます
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画像ベースのひずみ測定ツールによる高解像度CCDイメージング(オプションとなります)
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ソフトウェアを使用し、リアルタイムでテストプロトコルをグラフ化・モニタリング
引張試験機 - UniVertの応用例
多様なアタッチメントにより、生体から取り出したサンプルの引張強度測定や圧縮強度測定など、様々なサンプル・テストモードで測定ができます。
生体サンプルは試験時のグリップが難しいですが、ばね・ネジで締め付けるグリップで簡単・的確にサンプルを固定できます。
簡単なモジュール交換で多様な試験に対応
引張試験
弾性ポリマー素材など
圧縮試験
非弾性セラミック球など
3点曲げ試験
人工骨など
引張強度について
引張強度とは、サンプルが破壊されるまで張力をかけ、その張力に対するサンプルの反応や数値を測定し求められる機械的強度の値です。サンプルがどの位強度を持ち、どの程度まで伸びるかを測定することで、弾性率や降伏応力、ヤング率、ポアソン比を求めることができ、サンプルの機械的特性を知ることができます。
引張試験とは
引張試験とは、サンプルが破壊されるまで張力をかけ、その張力に対するサンプルの反応や数値を測定する機械的試験です。サンプルがどの位の強度を持ち、どの程度まで伸びるかを測定します。測定には引張試験機が使用され、応力や引張強さなどのなどの数値を測定することで弾性率や降伏応力、ヤング率、ポアソン比を求めることができ、サンプルの機械的特性を知ることができます。
引張試験の方法
サンプルの固定
引張試験では、サンプルの固定が非常に重要です。特に生体サンプルの様な柔らかいものですと、固定が強すぎると、サンプルを損傷してしまい、弱過ぎるとサンプルがずれてしまい正確なデータを取得できません。しかし、UniVert(ユニバート)は、ばね式のクリップタイプや、ネジ式のメタルのクリップなどのオプションがあるため、サンプルに応じた固定が可能となり、生体サンプルの引張強度をより簡単に、より正確に取得することができます。
UniVertで測定可能なサンプル
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スキャフォールド
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ハイドロゲル
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3D培養モデル
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人工骨
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マウスのアキレス腱
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弾性物(ポリマーなど)
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非弾性物(セラミックなど)
など
引張強度の測定例
UniVertは、コンパクトな設計と多様なコンポーネントにより、好きな時に好きな場所で、簡単に幅広いレンジのメカニカルテストを行うのに、非常に理想的です。 ここでは、一例として、身近にあるトイレットペーパーの引張試験とマイクロファイバーの引張試験をご紹介します。
引張試験機 - UniVert ソフトウェア
UniVertには標準でソフトウェアが付属します。
UniVertのソフトウェアによって、テストプロトコルの総合的な管理が可能となります。リアルタイムでのグラフ化やモニタリングによって、テスト中のフィードバックが見れるだけでなく、力と変位のデータの記録を残すこともできるので、後の分析も可能です。
ソフトウェアもモジュラーコンポーネントも簡単に使用でき、特別なトレーニングは必要ありません。
動画
クライアントレビュー
デヴィッド・ミルズ教授 - Professor David Mills
ルイジアナ工科大学 - Louisiana Tech University
私たちは、5つの博士研究プロジェクトでUnivertを使用しています。この装置は、作業用の装置で、汎用性にも優れているため、データを迅速かつ簡単に取得することができます。また、直感的に使用することができます。
キャサリン・グランドフィールド准教授 - Associate Professor Kathryn Grandfield
マクマスター大学 - McMaster University
私は、授業と研究の両方でUniVertを使用してきました。大学生に機械的試験の原理を実習と体験的なアプローチで教えるには最適なツールでした。私の研究室では、他の方法では測定できなかった研究室で開発された柔らかい生体材料の機械的特性を測定することができました。UniVertは使いやすく、私たちのニーズをすべて満たしてくれました。
仕様
オプション
Imaging System(イメージングシステム)
オプションのイメージングシステムにより、テストの時間相関画像の保存も可能となり、画像分析ソフトウェアのパッケージをご利用いただくことで、デジタル画像相関技術を使いサンプル表面の負荷(ヒートマップデータ)を画像化、数値化することも可能です。
Fluid Bath チャンバー(液中測定オプション)
Fluid Bathチャンバーにより、液中での測定も可能です。
UniVertは温度制御されたFluid Bathチャンバーにより液中測定ができ、敏感な生体サンプルを適切な条件下で試験することができます。
ラボでの教育用Class Roomキット
ラボでの教育用に、サンプルが豊富に付属したクラスルームキットもございます。
引張試験の論文と考察
引張試験機 - UniVertのデモ機貸し出しについて
引張試験機UniVertのデモンストレーション機の貸し出しを無料にて行っております。実際の試験環境や使用環境でお試しいただき、機能や性能、使いやすさ、製品の大きさ等を事前にご確認いただけます。貸出期間や詳細等はお問い合わせください。
ニュース
オレンジサイエンスのニュースページでは、セルスケール社製品の最新情報や製品を使用した論文、ユースケース、国内の実例などをご紹介しています。
引張試験に関するコンテンツ
UniVertはCellScale社によって開発されました。CellScale社は、ウォータールー大学で開発された機械的試験システムを他の研究者が利用できるようにすることを目的として2005年に設立され、様々な生体材料の試験法を開発する研究者をサポートしてきました。長年にわたり、CellScale社は機械試験製品のラインアップを拡大し、バイオリアクターのラインアップを立ち上げ、多くのカスタムソリューションを構築してきました。
ここでは、CellScale社代表のCaleb Horstが、自身の知見や経験をもとに、生体材料に関連するオリジナルコンテンツを執筆する「Caleb's Corner」というシリーズの中から引張試験や機械的試験に関する記事をいくつかご紹介します。
生体材料の引張試験(テンションテスト)のコツと注意点
サンプルの固定
サンプルを引っ張るには、サンプルをまずは掴む必要があります。最も一般的なのはコンプレッショングリップです。ピーク時の力が20N以下の場合は、スプリングクロージャーが最適だと考えています。一貫したクランプ力が得られるので、試料を保持しつつ損傷させない理想的な力に調整することができます。ネジ式グリップは100N以上のピークフォースに最適です。20~100Nの範囲では、どちらのオプションもうまく機能します。
一般的に、デリケートな組織にはティッシュペーパー、柔らかい組織にはサンドペーパー、硬い組織には金属製の鋸歯状のジョーがグリップ面として適しています。プラスチック製のタブに試料を接着して、試験中にタブを握るとうまくいくこともあります。
柔らかいロープ状の組織の場合は、組織を曲げるのに必要な力が無視できるので、3点曲げ治具を使って引張試験を行うことができます。これにより、試験片の取り付けが容易になり、試験片の軸に沿った力/変位ベクトルを三角法で計算することができます。
ゼロストレス/ストレインの決定
柔らかいバイオマテリアルの多くは非線形です。そのため、試験片の荷重がゼロになる変位を決定することは困難です。このような場合には、力/変位曲線に測定可能な傾斜があるポイントで定義された予荷重を使用するのが最善です。経験則上、予荷重はピークフォースの10%以下としてください。
歪みの測定
グリップの動きがそのまま試験片の変形につながると考えるのは、決して理想的ではありません。柔らかい材料の剛性を測定する場合は、非接触式のひずみ測定が適しています。ピークフォースの測定や非常に大きなひずみを伴う試験では、必要ない場合もあります。画像は、データ解析中に明らかになった異常を提示して理解するために常に役立ちます。
その他の要因
ここでは、生体材料試験の最も重要な側面をいくつか取り上げましたが、他にもたくさんのポイントがあります。不均一な試験片形状、水和、温度、材料の不均一性、故障モード、プレコンディショニング、速度依存性、疲労などを考慮する必要があるかもしれません。生体材料の試験は興味深く、まだまだ学ぶべきことがたくさんあります。
セルスケール社は15年以上もこのビジネスに携わっており、様々な経験を有しています。
参考サイト(CellScale社CEO Caleb Horstの記事より引用)
https://www.cellscale.com/calebs-corner/tension-testing-biomaterials/
非エンジニアのためのバイオマテリアルの機械的試験
バイオマテリアルの研究チームは、工学、生物学、医学など様々な分野のメンバーで構成されています。 機械的特性がなぜ重要なのかは、エンジニアでなくても簡単に理解できますが、テストは複雑で分かりにくいものです。ここでは、簡単な機械的試験のフレームワークをご紹介します。
機械的試験の目的を定める
特定の形状を持つエンティティをテストする必要があるのか、それとも材料の特性をテストする必要があるのか。実体の試験では、生体内の負荷を模倣し、比較研究を行い、ベンチマークを確立することが重要な場合があります。材料試験では、円筒、球、ドッグボーンなどの規則的な形状の試験片を作成することが重要です。これにより、試験片の形状に依存しない材料特性(ヤング率など)を測定することができます。
アプリケーションに適した技術を選ぶ
荷重が50mN~50kNの場合は、従来型のロードセルが最適で、ほとんどの主要機器メーカーから入手できます。1μN~50mNの力をかける場合は、CellScale MicroTester で使用されているようなカンチレバーベースのフォースプローブをご検討ください。一般的に、力の精度は、フォースセンサーの負荷容量の0.1%~0.5%程度と考えられます。
2-10μmの変位精度では、ほとんどの装置メーカーがモーター/ネジ駆動を採用しています。より高い精度を得るためには、CellScale MicroTester で使用されているような、ピエゾ駆動やボイスコイル駆動のアクチュエーションを検討してください。
固定/試験環境の検討
バイオマテリアルは様々な種類があり、多くの場合特別な処理が必要となります。把持については、ジョーの表面(セレーション、サンドペーパーコーティング)、把持力(スクリュー、空気圧、スプリングクロージャー)、多点穿刺マウントや接着剤を塗布した把持タブなどの代替方法を検討できます。メーカーによっては、把持に関してもサポートしている場合があります。
また、水分補給と生理的温度を維持することの重要性も考慮します。多くのメーカーでこれらの機能を提供していますが、追加コストがかかります。
テスト検証の計画
ほとんどのテストシステムは、システムの力と変位を校正する手段を提供しています。多くのメーカーは、質的・量的に貴重な情報を提供できる画像システムを備えており、これらの画像や動画は、プレゼンテーションや出版物で効果的に使用することができます。
研究に必要な機器調達のヒント
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デモを依頼する(オンラインまたは直接)。
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自社の素材や類似の代替素材を使ったサンプルテストを依頼する。
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同様のテストを行った研究者の学術出版物を探す
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メーカーのテクニカルサポートを利用して、テストプロトコルや固定方法などのアドバイスを受ける。
参考サイト(CellScale社CEO Caleb Horstの記事より引用)
https://www.cellscale.com/calebs-corner/mechanical-testing-of-biomaterials-for-non-engineers/
試験装置を必要とする場合、作るか、買うか?
エンジニアやテクノロジーに詳しい方、DIYが可能な研究者の方々は、これまでに何かを設計したり、作ったりしたことがあるはずです。昔、卒業制作で賞をもらったことがあり、家にIoT機器がたくさんあり、ロボットを作ろうと思ったこともあるでしょう。
そして、生体サンプルの機械的試験をしたいと思っている場合、世の中にある機器を見渡して、必要なものを買って自分で作れば、おそらく1/3以下のコストで済むだろうと正しく推測しています。
私はそのような方々をよく知っていますし、考えも理解しています。なぜなら、10年以上前、私も同じくDIYで研究機器を作っている研究者だったからです。10年以上もの間、私は試験装置を必要とする人々に機器を作り、販売してきました。この間、私はDIYの大成功を目の当たりにしてきました。プロジェクトは予定通りに進み、システムは確実に機能しました。しかし、DIYシステムは予想以上に時間とコストがかかり、最終的には狭い範囲のテスト条件でしかうまくいかないことが多いです。
一般的には、市販の機器を使って研究を成功させる研究者が多い印象です。市販のシステムを一から構築し、サポートするために必要な時間と費用を考えれば納得できます。CellScale社の最初の製品であるBioTesterは2007年に商品化されました。それ以来、毎年、時間とお金をかけてシステムを改良し続けています。製品の機能、ユーザーインターフェース、システムの堅牢性、ドキュメントなど、あらゆる面で、さまざまなユーザーからの多くのフィードバックを受けて、継続的に改善してきました。このような投資は、製品を向上させるだけでなく、パートタイムのDIYシステム開発者には不可能なレベルの経験と専門知識を生み出すことを可能にしました。
さて、本題の「作るか、買うか」に戻りましょう。ほとんどの難しい質問と同様に、答えは明確にはありません。
まず、予算によります。商用機器は最初から高価で、予算がない場合は選択肢に含めることができません。とはいえ、思ったよりも費用が安い場合もありますので、一度メーカーに問い合わせてみる価値はあります。
2つ目は、優先順位によります。自分のエンジニアとしての能力を高めることや、多くの学生に機械装置の作り方や制御回路の開発、ソフトウェアの書き方を教えることが目的であれば、デザイナーやメーカー、コーダーになるのに最適だと言えます。また、研究目標を効率的に達成したり、科学的にインパクトのあるジャーナル論文をできるだけ多く発表したりすることが目的であれば、選び抜かれた商用システムが最適です。
3つ目は、やりたいテストと市販のテスト機器の性能が一致しているかどうかです。やりたいことが標準的なものであれば(例:パラレルプレート圧縮)、ニーズは十分に一致しています。多少のカスタマイズが必要な場合には、メーカーに問い合わせる・依頼することも可能です。新しく開発した装置にマーケットがあると判断した場合、用途に合わせて装置を変更するために必要なエンジニアリングコストの一部を負担する企業もあります。
作るか、買うか?最終的には、すべての状況はケースバイケースであり、決定権は研究者であるあなたにあります。
参考サイト(CellScale社CEO Caleb Horstの記事より引用)
オレンジサイエンスについて
私たちは、ライフサイエンスの中でも
細胞生物学分野に関する研究機器に特化して
販売およびサポートをしています。
多種多様な装置を取り扱うのではなく、装置とその用途について深い知識を持ち、ユーザの皆様の研究をよりよく理解することを心掛けています。研究者の皆様への技術サポートを通じて、ライフサイエンスの発展に貢献することを目指す会社です。
この分野の装置は、日本が常に一番というわけではありません。日本では国内メーカーの製品が好まれていますが、おそらくアフターサービスの良さが大きな要因だと考えられます。欧米で、より顕著な発展を見せている研究機器を国内メーカーと同じレベルのサポート体制でお使いいただければ、皆様の研究をさらに効率化することができるはずです。
オレンジサイエンスのスタッフは日本で研究する皆様の研究の効率化を実現するために、アメリカとヨーロッパから研究に有用な製品の情報を収集し横浜オフィスに集めています。横浜のスタッフは、各地のメーカーを訪れて技術力を向上させています。皆様の御研究が実を結び、我々が間接的にでも多くの人々のクオリティーオブライフの向上に貢献できることを願っております。